2011/09/20

奥秩父最深部ソロハイク 2日目〜3日目

9月9日〜11日、奥秩父最深部ソロハイクに行ってきた。

雲海に浮かぶ富士





【ルート 2日目】
大弛小屋 → 前国師岳 → 国師ヶ岳 → 甲武信ヶ岳 → 甲武信(テント泊)


前日、瑞牆山荘から金峰山を経て大弛小屋まで歩いて来た。


大弛小屋から国師ヶ岳までは1時間ほどなので
日の出を国師ヶ岳山頂で迎えようと思い夜明け前の3時半ごろ起床。

Shangri-La 2 からまさに這い出して夜空を見上げると、満天の星空が広がっていた。
今までに見たことないような光景。
いつまででも見ていられる。
昔父親と2人で双眼鏡を持って庭で夜空を見上げていたことを思い出す。




星空を眺めすぎて、時間があやしくなって来たので急いで撤収。

星の光のみの暗い森の中をヘッドライトで足下を照らしながら足早に国師ヶ岳を目指す。

30分も歩くと開けたピークに出た。
美しい朝焼けが目の前に広がっていたので、てっきり国師ヶ岳かと思って
ザックを下ろしてゆっくりしようとしたら、この場所が前国師岳だと気付く。


夜と朝の間

前国師岳頂上

勘違いで少し時間をロスした。
慌てて国師ヶ岳を目指す。




日の出が近づいてきた。
すこし小走りになる。

小さく下り、小さく登る。
するとまたしても開けた場所に出た。

今度こそ国師ヶ岳山頂だ。
こんな時間にはさすがに誰もいないだろうと思い、登頂した瞬間大声で「来た!国師ヶ岳だ!」と思わず叫んでしまった。

しかし山頂には大きなカメラをかまえた2人組の先客がいた。


しまった、かなり恥ずかしいぞ。と思ったが、そんな気持ちはすぐに吹っ飛んだ。



2人組のかまえたカメラの先には、広大な雲海とそこに浮かぶ富士の大パノラマが広がっていた。

富士

国師ヶ岳山頂

昇ってくる太陽の光を浴びて刻々と変わる富士の表情に目を奪われ、しばし時を忘れた。
そして気付いたら30分近く眺めていた。

この光景をいつまでも見ていたいという思いを断ち切り、歩き出す。

この日はこの後甲武信ヶ岳、甲武信小屋、破風山を経て雁坂小屋までの予定。
先はまだまだ長い。



ここからは比較的単調な樹林帯の中の稜線歩きが延々と続く。

木々の先に見える富士1

木々の先に見える富士2

朝日と山々

木々の間からたまに見える美しい朝の山の顔を見ながらのハイク。




国師ヶ岳を出発して1時間ほどしたころ、左足のヒザの外側の筋が痛みだす。

朝起きたときから違和感はあったが、特に気になるほどでもなかった。
しかしここへきて一気に激痛に変わった。


フラットな地面は問題ないのだが、登りや下りなどのヒザの深い曲げ伸ばしに強い痛みを感じる。
この先は甲武信ヶ岳まで細かいアップダウンが連続する稜線を5時間ほど歩かなくてはいけない。

最悪だ。


途中に下山出来るルートもなくUターンして大弛小屋へ戻っても帰るすべがない。

とりあえず痛みをこらえて甲武信小屋まで行くしかない。




左足をかばって歩くため、右足の疲労がヒドい。
どう足を動かしたら痛み感じないのか?

もう歩きたくない。
とりあえず甲武信小屋まで行くしかない。
今日のうちに雁坂小屋までは確実に無理だな。
どのような下山プランがベストか?
今日中に下山、帰宅か?
ヒザが痛い。
歩きたくない。
歩きたくない。
歩きたくない。


ネガティブな思考が頭を埋め尽くす。



奥秩父の山々

分岐もない。道標もほとんどない。
同じような景色の中ひたすら痛みをこらえてアップダウンを繰り返す。
この変化のなさが精神的にも疲弊させる。


何度も心が折れそうになる。


ひたすら歩く、歩く。





コースタイムをわずかにオーバーして、甲武信ヶ岳に到着。
どうにか5時間歩き通せた。

甲武信ヶ岳山頂

登頂の感動よりも早く小屋へ行って座りたい。足を休めたい。

その一心で山頂の先、少し下った所にある小屋を目指す。

甲武信ヶ岳山頂での滞在時間はわずか1分ほど。


甲武信ヶ岳山頂から見る、歩いて来た山々(たしか)




午前11時過ぎ。
待望の甲武信小屋に到着。

甲武信小屋

時間的にはもちろん先の雁坂小屋まで行ける。
西沢渓谷に下山する時間も十分にある。

しかしもうヒザが限界。もう歩けない。
このさきの行程は翌日のヒザの状態をみて決めればいい。
今日はここで1泊することにする。




1泊すると決めたら、やることがない。

まだ午前11時半。

付近を散歩する訳にもいかないので
昼寝をしたりしながらひたすら時間を潰す。


そして夜7時ころ就寝した。

暇つぶしの自分撮り


テント内


3日目早朝

朝起きてヒザの調子を確かめる。

前日ほどではないがやはり痛みは残る。
たぶん歩き出したらまた激痛に変わるだろう。

素直に西沢渓谷に下山しよう。





案の定激痛に変わった左ヒザを抱えながら
恐ろしいほど長く急なトレイルをひたすら下山し
始発の塩山行きのバスに乗って帰宅した。



2泊3日奥秩父最深部ソロハイクは無念の途中リタイアという形で終わった。




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