2012/01/10

権現山デイハイク(敗退レポート)

1月8日、山梨県の権現山デイハイクに行ってきた。

長尾根トレイル






【予定ハイキングルート】
小寺 → 西原峠 → 大寺山 → 三ッ森北峰 → 尾名手峠 → 麻生山 → 権現山 → 和見分岐 → 二本杉 → 用竹


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【実際に歩いたルート】
小寺 → 佐野峠付近 → 西原峠 → 大寺山 → 三ッ森北峰 → 尾名手峠 → 長尾根 → 富岡


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静かなハイキングを求めて山梨県の権現山へ行くことにした。

JR中央本線 猿橋駅からバスに乗り小寺バス停へ9時少し前に到着。

山と高原地図を見ながら登山道口を探すと佐野峠入口の看板が。
目的は西原峠だが、西原峠も佐野峠も同じ稜線上にあるので大きな意味では間違いではない。他に登山道口への看板も無いのでここでいいのだろう。

佐野峠入口

なかぶろはし


佐野峠への看板からすぐの橋を渡るとすぐに道標も標識もなにも無い分岐が現れる。

地図によると右へ進めば目的の西原峠。地図上の赤い実線のルートのはず。
逆に左は佐野峠付近へ乗り上げる灰色の破線ルートだと思われる。

予定通り右の西原峠への道を進むが、しばらくすると道が曖昧になってくる。
急な斜面の腹にわずかに踏み跡がある程度の道。乾燥しきった土の上を大量の落ち葉が覆っている。
ものすごく滑りやすい。そして滑ったら谷底まで数十メートル転落。間違いなくただでは済まない。

一旦同行者を安全な場所で待たせて、一人で慎重に先へ進む。
その先は薄暗い植林帯となっており、だんだんと踏み跡も薄くなり、最後には見失った。

注意して探せば道はあったのだろうが、今回はソロハイクではない。
急で滑りやすい斜面の部分を自分よりも不慣れな同行者を渡らせる事に不安もあるので、これ以上このルートを進む事を諦めた。



いったん分岐まで戻り、地図上では灰色の破線ルートの道を進むことにする。

破線ルートで登った佐野峠付近から当初の予定の西原峠までが地図上のCTで45分。単純に考えると45分のロス。すでに道迷いで20分ほどのロスもある。
さらに破線ルート自体のCTは地図には載っていないので、どれほど時間がかかるのかは不明。出だしでこの日のプランが崩壊したが、とりあえず先を急ぐ。


道自体は最初は植林帯の中を九十九折りに登って行く道で危険は感じない。
しかししばらく進むとやはり踏み跡が怪しくなってくる。ピンクテープもほぼ皆無。
地図で見るとルートは尾根の頂点を稜線上まで通っているので、とりあえず尾根上まで登り、わずかな踏み跡をたよりに上へ進むことにする。

すると今度はネットでできた鹿用の柵が現れた。鹿柵は細い尾根上の頂点を真っすぐに上へ延びている。
一番ハッキリした踏み跡は尾根上を鹿柵の左右にわたってジグザグに通っているが、鹿柵自体にはゲートもなにもないので、柵に遮られて踏み跡通りに進むことが出来ない。

仕方が無いので鹿柵をまたがない低木の生い茂った薄い踏み跡をかき分けて進む。
しかしこの低木の中にバラが多く混ざっていた。手やウエアは傷だらけに。まさにイバラの道。


数十分ほどイバラの道を泣きながら登ると、尾根がわずかに広くなり低木やバラの密度も薄くなってバラ漕ぎをしなくてもすむようになった。しかし広くなった分踏み跡も無数に増え傾斜もキツくなった。

足を滑らせながらも真っすぐ斜面を登る。



最後に現れた広く急な落ち葉に覆われた斜面を無理矢理登ると、ついに稜線上に出た。

最後の斜面


このあたりまで来てやっと写真を撮る余裕が出た。
そしてここまでまったく写真を撮っていないことに気付く。失敗した。



稜線上には車が通れるほどの広い登山道?林道?が通っていた。
今までの苦労のアホ臭さとまともな道に出た安堵感を同時に味わう。

登山道?林道?


やはりここでも道標らしき物は一切無い。
この林道を左手に進むと佐野峠のはず。目指す西原峠は右手。

林道の開けた場所からは富士山が見える


今までのワイルドな登りが嘘のような歩きやすい林道を20分ほど進み、ついに西原峠に到着。

このとき11:50。当初の予定より約80分の遅れ。
この段階で、用竹まで歩くことを諦め権現山から浅川に下山するコースに変更することに決めた。




西原峠には本来登ってくるはずであった道との分岐があった。同じく林道のようにしっかりとした道。
あの不明瞭な道が最後はどこかでこんな立派な道になって西原峠まで続いていたのだろう。

西原峠

この西原峠でやっと初めての小さな道標。
この場所が西原峠だという情報しか得られなかったが。



分岐を尾根続きの麻生山、権現山方面へ進む。
雪の残る林道歩き。


しばらく歩いたところで道の脇の小高い場所へ登り、昼食。
陽も当たり風もなく心地よい。

フカフカの道

フカフカの道

休憩した場所の付近は落ち葉の絨毯が広がっていた。




休憩を終え林道をしばらく進むと地図上にはない分岐が現れた。
分岐は先のピークへ進む登り坂と、そのピークを巻くかのようにわずかに下っていく道。
巻き道(?)を進みたい所だが、地図ではルートは常に尾根上にあるので確実そうな登りへ進む。
結局この巻き道(?)とはその後合流することはなかった。

登りの林道を進むと、急にパタリと林道が途切れ行き止まりになった。
やはりここでも道標や標識らしき物はなにもない。

その先は比較的濃い踏み跡を辿る。

尾根上のトレイル


しばらく歩き、大寺山。

大寺山山頂

この大寺山山頂には一応標識があった。
展望もない地味な山頂。








大寺山から予想以上の落差の急なアップダウンを何度も繰り返し、三ッ森北峰山頂へ。
わずかに残った体力もほとんど使ってしまった。

北峰山頂


三ッ森北峰山頂でこの日初めて僕たち以外のハイカーに出会った。
少しホッとする。





山頂には何故か大きく立派な鏡があった。ちょっと不気味。

北峰山頂の鏡


山頂からの展望はなかなかよかったが、この頃には富士山が雲に隠れてしまっていた。





三ッ森北峰から麻生山に向けてまた一気に高度を下げる。


途中の鋸尾根への分岐を越え、麻生山の手前の尾名手峠へ。

尾名手峠

先の麻生山を越えさらに先の権現山まで行ってから下山の予定であったが、その予定も時間的に難しくなってしまったので再度プランを変更。
最大の目的である権現山も諦め、この尾名手峠から下山することにした。



急な斜面を巻く道を通り、長尾根のトレイルへ合流。

分岐/合流地点


長尾根トレイル

この長尾根のトレイルがとても気持ちがよかった。
この日初めての気持ちのよいハイキング。
落ち葉に埋もれたフカフカで緩やかな下りが延々と続く。
この道もほとんど歩かれていないのであろう。場所によっては膝下まで埋まるほど落ち葉が積もっていた。


長尾根トレイル

長尾根トレイル

長尾根トレイル




そして気持ちのよい長尾根を歩き、やっと集落まで到着。

しかしこの集落からバス停までの間もまったく標識はなかった。
初めて来たハイカーが早朝に集落を抜け長尾根を登り始めるのはほぼ不可能だろう。

僕たちは迷いながらも地元の方に道を聞いてやっとバス停までたどり着けた。
15:50、ハイキング終了。





今回の敗退は自分のプラン自体の選択ミス、その後のリサーチミス、実際のルート選択ミスなどなど、細かくあげたらキリがない。以後気をつけよう。ホントに。

また今回歩いてみて、地図上では赤い実線でも実際は踏み跡程度の道やまったく標識のない山域があることなどをあらためて知り、今後の大きな参考になった。
やはり事前のリサーチはものすごく大事。



失敗だらけで身も心もクタクタになったハイキングだが、最後の最後にとても気持ちのよい長尾根のトレイルが歩けたことが唯一の救いだった。

次は素晴らしい長尾根トレイルから登り始め、麻生山、権現山とつなげてリベンジを果たしたい。



<おわり>

8 件のコメント:

  1. 僕が嫁とのハイク中にルートを見失いバラ漕ぎする羽目になったとして、その時バシャバシャと写真を撮ってたら…
    恐らく後ほど大喧嘩(喧嘩といっても僕が一方的に責められるだけだと思いますがw)になるでしょうね〜

    そう理解しつつも、その場面の写真は見てみたい!と思ってしまうのが人情でしょうかw

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  2. 同日、同じく山梨県の道標を見てました。
    奥多摩というか東京都がいかに親切かを感じますよね~。道標も登山道の整備も。

    しかし、ルート選びが渋すぎます!

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  3. 冒険。これは完全に冒険ですね。
    しかし無事で良かったです。
    鏡とか妙に不気味ですね!

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  4. >booさん
    今ではちゃんと写真を撮っておけばおけばと後悔してます。
    でもそのときは急坂&バラ地獄でまったく余裕が無くて。。
    それでも見たいと思うのが人情ですっ!

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  5. >takemicchyさん
    ですよね〜。
    でも、あの親切慣れてしまってはダメなんだと痛感しましたよ。
    今までがぬるま湯過ぎたのだと。

    今回はルート選びはたしかに渋すぎました笑
    行きのバスの中でおじさんソロハイカー1人と山中で夫婦ハイカー1組としか遇わなかったかったですもんね。

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  6. >osonくん
    久しぶりに予定外の冒険しちゃいました〜。
    でも一昨年はけっこうプチ冒険してたのでちょっと懐かしくもありましたよ。

    鏡は本当に意味分かりませんでした。
    なんか伝説とかいわくとかあるのかもしれないですね。

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  7. <勇気有る敗退・称賛!!>
     遅ればせながら、本年も宜しくお願い申し上げます。
    「静かなハイキングを求めて・・・」ではじまるブログ楽しみに拝観始めました・・・。
    ご無事で何よりでした!!!。
    同行者がいらっしゃらなかったら反対にフロンテイア精神に駆られたりして???(笑)
    <便利グッズ教育>を受けた・世代・は地図・GPSで計画を立てます。 
    地元のマタギの方が仰る事より信じます。
    日本で<鏡は精成る物>とはいえ アノかたちで出会うと 「守護」は勘じれませんよネ。
    おみ足・ヒザ・ご自愛ください。
    ikarosu 遊びに行ってきました。斬新なアイデア学べました(笑)   邂逅

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  8. >匿名さま
    僕は計画は地図を眺めながらしています。
    GPSですか、いいですね。
    高価なグッズなのでなかなか手が出せません。羨ましい限りです。

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